タウシュベツ川橋梁を取り巻く森は深い。
今シーズンは木のウロの一つにフクロウを見かけるようになった。
雪の少ない冬は続き、前が見えなくなるほどの
降雪はこの日が久しぶりのこと。橋のシルエットが霞んだ。
キノコ氷の出来具合は順調。
糠平湖の水位は連日下がり続け、
橋はもう上部半分近くが氷上に現れている。
来月中には橋の全体を見られるだろう。
風が吹きぬける糠平湖の湖上には
たまに雪紋が現れる。一面に広がる
こうした紋様を眺めながら橋まで
向かうのもまた楽しい。
また、この期間中には糠平湖からNHKの中継があった。
メインはタウシュベツ川橋梁、
ではなくキノコ氷。三の沢にて。
本放送は1月29日朝の全国中継「おはよう日本」と
北海道内中継「おはよう北海道」の二本立て。
前の週になって急遽全国中継が決まったそうだ。
早朝のまだ暗いうちから大勢のスタッフが揃って準備とリハーサル。
生中継は大掛かりだ。
「おはよう北海道」には僕も少しだけ出演した。
月の後半には雪の日もあった。ただ降っても長続きせず、
全体としては穏やかな天候が続いた。
雪の積もった湖上はよく光を反射し、
半円にも満たない月明かりでも
橋の影がくっきりと浮かび上がる。
満月の夜には昼間のような明るさを感じるほどで、
逆に星を見るには不向きだ。
雪が少ないだけでなく気温も高めの日が
多い今シーズン、この日は糠平では雨が降り、
標高の高いところでは湿った雪となった。
冬の初めの12月頃に見られるような景色となった1月下旬。
橋梁目当てで訪れる人も多くなり、
何もない雪の湖上にいつの間にか一筋の
道ができていた。
糠平湖の水位の低下が進んでいるので、
湖上を歩いてタウシュベツ川橋梁まで行けるのは
あと一カ月ほどだろうか。