5月のこの時期、糠平湖の水位はまだ低く、
タウシュベツ川橋梁の橋脚近くまで近づくことができる。
劣化の進む橋の下にはコンクリートの細かいかけらや
剥がれ落ちた鉄筋の一部が散らばっていた。
雪解け水を流すタウシュベツ川。
気温が高く推移した今月上旬は例年に増して
流れが強かった印象だ。一方で、中旬にかけて雨がほとんど
降らないままなので日毎に水量は落ちてきている。
雨の当たらない湖底にはひび割れが目立ち始めた。
この時期、北海道の5月らしい空が広がる日もある。
湖底のところどころにある水たまりに
エゾアカガエルの卵が産み落とされていた。
雨の降らない一週間ほどの間に
干上がってしまったものもあれば、
オタマジャクシが孵ったものも。
乾燥した糠平湖底はどこか荒涼とした雰囲気を漂わせる。
場所によってはモザイク状の紋様が現れていた。
連休が明けた頃でも気温はまだ低く、
峠では新緑に混じって雪が降った。
エサとなる草を探して、エゾシカが
国道のすぐ脇までやってくる。
今シーズンはとくにその数が多いように感じられる。
1日の気温差が大きいこの時期の空は賑やかだ。
雲を眺めているだけでも飽きずに時間が過ぎていく。
5月も中旬になると、糠平湖の湖面が少しずつ
橋に近づいてくる。雨が少ないのでその速度は
ゆっくりとしているが、それでももうしばらくで
橋脚のたもとまで達しそうだ。
寒気と暖気とが入り混じり、夕方の空に
不思議な雲が広がった。
4月下旬から西風の強く吹く日が多かったせいか、
橋の東側には、うっすら白く見えるほどコンクリート片が
積もっている。
コンクリートの中に埋め込まれていた鉄筋が
徐々に目に見えるようになってきた。
5月中旬に入ってからは天候が不安定な日が多い。
にわか雨が降ったあとに短く濃い虹が二重に架かった。
大気の状態を象徴するような空模様。
今月末のレポートの頃には、
また違う風景が広がっていそうだ。