<お知らせ>
4月1日~10日の期間、ZINE『タウシュベツ拾遺』掲載写真のオリジナルプリントを販売します。
全46作品を各1点ずつ、A4サイズにて。4月1日にネットショップで受付を開始いたします。
1点ずつの限定制作となりますので品切れの際にはご容赦ください。
例年のこととはいえ、3月はやはり冬から春へと移り変わる季節を実感する時期となった。
月初めに降っていた雪も、月末には雨に変わっていた。
2月いっぱいで湖上立ち入りが禁止となった糠平湖では、湖底を流れる音更川が氷の下から現れてきた。
氷がだんだんと薄くなるこの時期は、真冬とは違う緊張感がある。
日中の気温が上がり、早朝に冷え込みが厳しくなると木々は霧氷に白く染まった。
晴れた日の空に浮かぶのは春らしい雲。
日射しを照り返す雪の眩しさは、冬とは比較にならなく感じられる。
同じ糠平湖でも、水深の深い大部分はまだ氷に覆われている。
雪解けに合わせるように、南向きの斜面にエゾシカが集まり始めるのもこの頃。
冬の間は日中の最高気温も氷点下の日々が続くこの辺りでは、つららも冬というよりも春のものだ。
おりから降り始めた雪は湿っていて、日中には溶けてしまう。
降っては溶ける雪もまた、冬よりも春を感じさせる。
山肌に積もった湿雪は滑りやすく、シカも転ぶ。
今シーズン最後の雪が降るのはいつ頃になるだろうか。
真冬には薄氷に覆われているガス穴が大きく口を空けていた。
これまでのところ今シーズンの雪解けは早いようだ。
氷雪の風景を見られるのもあと一カ月ほどだろうか。