写真・文/岩崎量示
ひと昔前と比べると飛躍的に知られるようになったとはいえ、知る人ぞ知るというポジションにはまだ距離がありそうなタウシュベツ川橋梁。
20年近く撮りつづけていると、「これはもう二度と見られない」と思うような場面に出会うこともあります。
今の時代、SNSで見て楽しんでもらえれば良さそうなものですが、できれば手元に長くとどめてほしくなるような写真が撮れることも、稀ですがあるものです。
2020年に撮影した一枚は、まさにそんな場面でした。
今年ももう橋の大部分が水没しているのですが、タウシュベツ川橋梁は例年、晩秋から初冬にかけては水に沈んでいます。
つぎに姿を見せるのは、糠平湖に氷が張り、水位が下がっていく1月以降。そして、この辺りで雪が積もり始めるのは、ふだんは12月に入ってからのことです。
つまり、タウシュベツ川橋梁が雪景色の中で水面に映り込む様子は、本来見られないはずのものなのです。
この年、夏季におこなわれていた発電所の工事の影響もあり、糠平湖の水位は低いままでした。
そこに、11月としては珍しいまとまった雪が降ったのです。
もう見る機会はないだろう、そんなことを考えながらこの光景を写真に収めていたことを思い出します。
まだあまり知られていない被写体の、マニアックかつレアな一場面。今週23日(土)まで、3点かぎりで額装写真のご注文を受け付けています。
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また、こちらとは別の写真でもプリント・額装をお作りできるものがあります。たとえば『タウシュベツ日誌 第2号』の75ページの写真で、といったご希望にお応えできますので、お気軽にお問い合わせください。