写真・文:岩崎量示
北海道に移り住み、タウシュベツ川橋梁を撮り始めてから来年で20年になります。
その間、頻度の多少はあるものの、四季を通じて日々の橋を記録してきました。
2005年当時ですら「あと2,3年で崩れる」と言われていた橋です。まさか20年後も撮りつづけているとは思ってもいませんでした。
ただ、橋のコンクリート劣化は実際に進んでおり、10年前の橋の姿は今となってはもうありません。
例年、夏以降に湖の水位が上がるにつれて水没して見えなくなることからそう呼ばれる「幻の橋」。
水位の変化によって見映えが変わり、コンクリートの劣化によって形自体がはかなく変わるゆく橋は、その一瞬ごともまた「幻」と呼ぶのにふさわしいかもしれません。
あの頃の橋を、やはり撮っておくべきだった。
10年近くデータのまま手元で寝かせていた写真をプリントし、あらためてその感を強くしました。
撮っておいて、よかった。