写真・文:岩崎量示
2025年はタウシュベツ川橋梁を撮り始めてから20年目となります。北海道暮らしも、写真歴も同じ年月です。
撮りためた未発表写真や映像が膨大になったこともあり、こちらのブログで【Behind The Scene】として、ぼちぼちと来し方20年を振り返ってみたいと思います。お付き合いいただけたら幸いです。
タウシュベツ川橋梁よりも先に、冬の厳寒期ならではの光景の方が見られなくなるかもしれません。
僕が撮り始めた当時、2005年にはすでに、タウシュベツ川橋梁は崩落まであと数年と言われていました。 崩落していく最後の姿を記録したい、そう考えて撮り始めたものです。
冬には凍った糠平湖上を歩き、片道2キロ離れた橋への撮影に通う日々。これは今も変わらないのですが、古い写真を振り返ってみると、湖の状況はいつの間にかずいぶん変わってきたことに気づかされます。
御神渡りやアイスバブルを、まだ年を越す前の年末に氷の上で撮っていたのは、もう10年以上前のこと。
12月末にもなると氷点下20℃近くまで冷え込むのが珍しくなかったのも今は昔。最近ではそんな寒さになる日は数えるほどになりました。湖の結氷は遅くなり、厳寒の期間が短くなりました。
ここ数年がたまたまそうなのか、それとも今後もこの傾向がつづくのか。崩落間近と言われていた橋が予想を超えて長持ちし、いつまでも変わらないように思えた気候が想定外の早さで温暖化に向かっている現状を見るにつけ、未来予測がどれほど難しいかを実感します。