日が沈み、辺りが暗くなりはじめる頃、 タウシュベツ川橋梁を取り巻く森が震え始めました。 空を埋めるのは、無数に、としか形容しようのないほどの数のカラス。 共鳴する鳴き声が空気の振動となって伝わってきます。 やがて夜の帳がすっかり降りてしまうと、 再び辺りは静寂に包まれたのでした。
黒々とした森から舞い上がる雪。 モノクロの世界、が形容詞ではなく、 目の前に立ち現れるのが北国の冬。 あと一週間もすれば、たぶん春の兆しがはっきりと 分かるようになるであろうこの時期、一週間ほど 北を離れて街に出てきます。
タウシュベツ川橋梁の下を流れる沢・タウシュベツ。 糠平湖の水位が下がり、雪解けが進むと、徐々にこの 流れが現れてきます。いわば目に見える春の兆し。 氷の下に隠れた沢筋は分かりにくく、今朝はうっかり 一か所を踏み抜いてしまいました。スノーシューは こういうときに役に立ちます。 今朝も気温は-15℃近くまで冷え込みましたが、...
先日の羅臼にて。 背後の山に日が沈み、国後島に向かって影が伸びていきます。 沈みかけの太陽が照らす流氷ライン。 海岸線ぎりぎりまで山が迫るこの土地では、民家も海岸間近に 並んでいます。地元の人たちがいつも眺めているであろう 風景にカメラを向けているとおじさんが声をかけてきました。 「こんなところに撮るものなんてないべ」...
午後になって雪が降り始めました。 こんな日のタウシュベツ川橋梁はとても静かで、 ときおり聞こえるのは氷の割れる音とカラスの鳴き声だけ。 深々と降る雪が辺りを包むと、半径数キロ圏内に 自分一人しかいないことが実感でき、なんとなく 贅沢な気分になるのでした。
流氷を撮りに知床へ行ってきました。 いくつか撮っておきたい被写体があったのですが、 そのうちの一つが流氷上のワシ。 撮影ポイントとしてよく知られている 羅臼の港を訪れると、そこにはオオワシとカモメとカラスと オジロワシが飛び交っていました。豪華なのかどうか よく分からない不思議な光景です。
厚手の手袋を付けていても指先が凍えるほどの 寒さはもう来ないのだろうか。 1シーズンに数度は、びっくりするほど気温の低い日が あるものだけれど、 この冬はそういうこともなく終わりそうです。 樹の裂ける音をほとんど聞かない冬は何か物足りない。
三連休の中日ということもあってか、 今日のタウシュベツ川橋梁には大勢の人たちが訪れていました。 夜や明け方など、ふだん、人の気配のない時間に行くことの 多い場所なので、どこを見ても人がいる景色は逆に新鮮です。
今シーズンの天気予報は良い方向に外れることが 多いような気がします。今日の糠平周辺の予報は曇りでしたが、 雲の隙間からはときおり日差しが差し込む暖かい一日。 大荒れ予報だった明日の予報もどうやら外れてくれそうです。